近年では世界的にタバコの健康被害が取り沙汰されるようになり、紙巻タバコには色々な規制がかかるようになりました。
1箱1,000円以上で販売する国もあれば室内で喫煙自体ができない国もありますし、パッケージにグロテスクな肺の写真を記載する国などもあるほど。
確かに電子タバコは紙巻タバコより害が少ないとされていますし、中にはニコチンとタールを一切含まないものもあるのが現状。
むしろ良い香りを楽しんですっきりするだけのものもあるのでむしろ健康にも良さそうです。
ですがそう上手くいかないのが現状で、電子タバコを所有しているだけでも違法となってしまう国もあります。
残念ながらそうした国では既に日本人も逮捕されているとのこと。
海外旅行の際は注意しておきましょう。
電子タバコに厳しい国は「タイ」
日本にとって南国のリゾート地の一つとして知られるのがタイ。
エキゾチックな建造物が残されており国民性が穏やかなことから「ほほえみの国」なんて呼ばれていたりもします。
そんなタイでは実は電子タバコを所有しているだけで逮捕されてしまう可能性があるのです。
そのきっかけとなったのが2014年12月27日に発令された「電子タバコ禁止条例」というもの。
これはタイの商務省から発令されたもので、違反した場合は最高で10年の懲役、もしくは50万バーツの罰金が科せられてしまうのです。
ただこの条例なのですが、やや曖昧だったり不可解な部分も含んでいる様子。
そのあたりもチェックしておきましょう。
水タバコの規制がきっかけ
2014年以前、タイでは紙巻タバコはもちろんですが、電子タバコや水タバコも楽しまれていました。
普通に販売されており、電子タバコを所有して吸っても何も違法性は無かったのです。
そんなときになぜか目をつけられたのが水タバコ。
水タバコというのは専用の機器を用いて乾燥したタバコ葉を燃やし、その煙を水の中に通してから吸うというもの。
主に中東でタバコを楽しむときのスタイルで、使う機器はかなり大きなものもあったりします。
なお日本でも水タバコを吸うことができるお店が存在するほどなので、一種の喫煙スタイルということができるかもしれません。
この水タバコがタイに持ち込まれると直ぐに流行し、色々なところで楽しまれるようになりました。
その流行っぷりを危惧したから商務省が規制をかけたのかもしれません。
そして、まるでついでのように、同時に電子タバコの規制もされてしまったのです。
タイへの旅行時には電子タバコを持ち込まないようにしよう
実はタイではまだ紙巻タバコは普通に売られていたりします。
もしかしたら、水タバコや電子タバコは紙巻タバコによる税収に影を落とす存在なので規制されたのかもしれません。
もちろん真実については不明です。
また、水タバコはマリファナ文化とも近しい喫煙スタイルなので規制した可能性も否定できません。
では、なぜ電子タバコを規制するのか、というとやはりもやもやが残るもの。
とにもかくにもタイでは違法というのは間違いない、ということだけが断言できます。
ですがタイに行ってみると電子タバコを吸っている人をみることがあるかもしれません。
実際のところ警察が取り締まりをしない限り逮捕されることはないわけですから、そういう方は危機感が薄いのでしょう。
中には「ニコチンが入ってないから大丈夫」と強弁すれば切り抜けられるケースもあるとのことですが、危険なのでやめるべきです。
それよりもタイに行くときは電子タバコを持ち込まないことが一番です。
逮捕と言うリスクは喫煙と比較すると大きすぎます。
日本におけるニコチン入りリキッドの取扱い
日本でも法律違反しているかどうかはしっかりと確認しておきたいところです。
余計な懸念は喫煙自体をつまらないものにしてしまうので取り払ってしまいましょう。
日本ではニコチンは毒物に指定されているので海外から個人輸入しなければニコチン入りリキッドは手に入れられません。
そして手に入れた後の扱い方こそが一番の問題点となるのです。
まず譲渡・販売は禁止されています。
そのため、ニコチン入りリキッドを手に入れたからといって仲間に試してもらおうと、おすそ分けした時点で逮捕される可能性があるのです。
こういうものは仲間同士で楽しみたいところですが、最初から自分一人で使うものと意識しておきましょう。
ニコチン入りリキッドが抱える問題
日本に居ると、基本的にニコチン入りリキッドを使うような生活を送る事はないものです。
海外から個人輸入するという時点でハードルが高いですし、国内で販売されているものはどれもニコチンフリーのもの。
そのため、ニコチン入りリキッド関連のニュースはそうそう耳に入ってきません。
ですが、実はアメリカなどではニコチン入りリキッドが既に問題になっていたりします。
将来、日本でも起こる問題かもしれないので、チェックしておきましょう。
ニコチン入りの電子タバコは以下をご覧ください。
海外で巻き起こる問題
ニコチン入りリキッドが合法となっている国では、子供が喫煙してニコチン中毒に陥っているという事例が実際にあります。
特に蒸気タイプの電子タバコは吸い応えが薄いため、高濃度のニコチン入りリキッドを使いがちになってしまうのです。
常に電子タバコが手放せず、家でも学校でも吸い続けるといった子供がもう現実にいるとのこと。
もし、日本にニコチン入りリキッドが認可されればこうした事例も増えるでしょう。
日本の規制についてチェック
タイでは電子タバコが所有できなくなりましたし、アメリカでもニコチン入りリキッドの存在がニコチン中毒を引き起こしています。
こうした規制や現象は電子タバコが広まるにつれ、日本でも巻き起こるかもしれません。
というわけで、まずは現状の日本の規制についてチェックするところから始めてみましょう。
まず日本では電子タバコの所有と使用は合法です。
ただ使用場所についてはいくつか制限されている場所もあるので注意が必要かもしれません。
喫煙関係でよく知られる条例としては東京都の「受動喫煙防止条例」です。
これは2020年の東京オリンピックを迎えるために作られた条例で、主に紙巻タバコを対象としています。
このあおりを食らって紙巻タバコから電子タバコに切り替えた方も多いかもしれません。
では電子タバコについてはどうなのかというと、実は受動喫煙防止条例とは何の関わりもなかったりします。
そのため実は法律的にはどこでも吸って良かったりするのです。
合法でもマナーを優先するのが妥当
ただ現在どこでも電子タバコを吸っている方がいるかと言われると居ないもの。
電車やバスで電子タバコを吸っている人はそうそう居ませんし、むしろ喫煙所で電子タバコを吸っている方を見かけるものです。
法律的にはどこで吸っても良いのですが、基本的にはタバコと考えて吸うのが無難といえます。
実際に電車で電子タバコを吸うことは問題視されるでしょう。
いくら無害といっても、電子タバコについての知識が無い人にとってはタバコと同じもの。
しかも、その人がタバコ嫌いな人であれば激怒されて何かしらの被害を加えられる可能性すらあります。
というわけで、法律に関わらずその場の空気やマナーを優先して吸うのがベターな選択なのです。
加熱式タバコは微妙な立場
紙巻タバコから有害成分を大幅にカットした加熱式タバコはどうかというと、こちらは少し微妙な立場だったりします。
受動喫煙防止条例によると、飲食店における分煙席でなら吸って良いとのこと。
もちろん紙巻タバコは分煙席では吸えず、屋内なら専用の喫煙室でなければ吸えません。
また、改正健康増進法が可決したことで受動喫煙対策は努力義務ではなく義務になりました。
これは紙巻タバコを主としたものなのですが、何と加熱式タバコもその対象に含まれるとのこと。
ただ、リキッドを使うタイプの電子タバコは今のところ対象外なので安心です。
加熱式タバコは「害が非常に少ないが確かに害はある」というタバコとして、今後も微妙な立場として扱われるかもしれません。
アイコスやグロー、プルームテックなどを愛用している方は今後の改正健康増進法の動きをチェックしておくと良いでしょう。